コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

LUCIDOの車内貼り広告の不気味さ、あるいは、佐々木課長危機一髪!

数日前りんかい線の車内にあったLUCIDOの広告を見て戦慄した。

これまでのあらすじ

佐々木課長は先日から謎の美人部下に歯の浮きそうなお世辞攻撃を受けつづけていた。(写真1、2およびリンク先(はてなハイク)参照のこと)
彼女の目的は一体なんなのだろうか?

謎の美人部下によるお世辞攻撃実例


〔左:写真1〕「佐々木課長、最近カッコいいって評判ですよ。」
〔右:写真2〕「佐々木課長っていつも若々しいですね。」

そして新展開

金か、それとも機密情報か、いったいなにを狙われているのか、安否が気づかわれていた佐々木課長だが、今度は妻と子供のような人物が、それだけではなく、さらに飼犬のような生物まで現れ、見えすいた世辞をあびせかけているのだ!(写真3、4)

家族風人物たちによるお世辞攻撃実例


〔左:写真3〕「さっき、友だちに「ご主人、若々しいわね!」って言われちゃった。」(娘の笑顔が不気味だ)
〔右:写真4〕「昨日、友だちに「ご主人、若々しいわね!」って言われちゃった。」(わざわざ犬を抱いて家の門で待ちぶせしてまで言うセリフだろうか)

この部下と妻が言うお世辞がまたイヤな感じなのだ。周囲の評判を本人に伝えてほめようなんて、いやらしくてねばっこい、最悪の形のお世辞ではないか*1

彼らは誰で、目的は一体なんなのか

よく見るとこの美人部下も妻子も犬も、一見にこやかな風を装ってはいるが、目が笑っていない。さらに観察すると、驚くべきことに、この三人と一匹、顔だちや表情そしてお世辞の言いかたまでが判で押したようにそっくりだ。
ここにきてようやくわたしもことの次第が飲みこめてきた。
実はこいつらは近くの恒星系(アルファケンタウリ星あたりか?)からやってきた宇宙人なのだ。
おそらく目的は地球人社会の生態学的研究、あるいは地球人を対象とした動物行動学のフィールドワークなのだろう。彼らは、佐々木課長の周辺の人間になりすまし、佐々木課長にいろいろな働きかけをしてはその反応を研究結果として逐一記録しているのだ。

最後の謎

まあ、かれらの目的が研究だとしたら、佐々木課長の身がらは当面無事だと考えてよいだろう。
そこはひとまず安心したのだが、ただひとつだけ、まだ非常に気になっていることがある。

佐々木課長の本当の家族や部下は、一体どこに行ってしまったのだろう。

今日の一枚

世のなかはエイリアンに満ちている。
あなたがいま食べようとしているそのハンバーガーは、実はあなたを食べようとしているのかもしれない。

*1:ピンとこない人は、逆のパターンを考えてみればよい。「みんなおまえのこと嫌なヤツだって言ってるよ」等々。

禁酒の理由

三年間の期間限定で禁酒している。解禁日は今年の誕生日、九月十二日になる*1
別に体質に合わないわけでも、酒が嫌いなわけでもない。むしろ好きなほうだ。たとえれば、酒への愛が嵩じてDVまがいになってきたため、今別居中というところ。九月を楽しみにしている。
酒を断っていて驚くのは、禁酒を妨害しようとする人の多さだ。
酒好きの三年禁酒はなかなかの覚悟だと思ってもらえるはずなのに、平気で「じゃあ、今日は例外ね」などと言う。飲んでちゃ禁酒にならんでしょうが。
そういう人たちは、なぜ世のなかに断酒会やAA(匿名アル中の会)があるのか、号泣しながらいままでの人生を悔い、禁酒を誓った人たちが、なぜまたあっけなく酒におぼれてしまうのか、深く考えたことがないのだろう。
最近では、理由をあれこれ聞かれたあげく、「なんだ飲んでもいいんじゃん」みたいに言われるのは業腹なので、こう答えることにしている。
「いや実は、酒を飲むと病気が出るんです」
会話の続きは大抵こうなる。
「なんの病気? 肝臓?」
「いえ、わたし、お酒を飲むと手近の女性のお尻を触ってしまうという病にかかってまして……。さすがにいまのご時世でそれはまずいかなと」
ここまで言えば、アハハと笑ってもらえ、通常は以降酒を勧められることもない。それでも食いさがってくる人には断酒会云々の話をして理解してもらう。雰囲気は多少悪くなるが、しかたない。ここ一年くらいはこのやりかたでしのいできた。
しかし、上には上がいるものだ。先日も銀座のとあるスナックでウーロン茶を飲んでいるとき、ママさんに同様のことを聞かれたので、「いや、わたし、お酒を飲むと近くの女性の尻を云々」と説明したのだが、するとママさんはあたりを上目づかいで見回しながら、声を落としてわたしに断言した。
「あら、そんなこと、大丈夫よ。その病気もってる人、ここのお客さんにも大勢いるから!」
わはははは。こっちが笑わされてしまった。さすがプロ。
そしてもちろん、それから酒を勧められることはなかった。これもプロ。

今日の一枚

実は今回の禁酒は二回目で、前回は1999年6月8日から2002年6月7日まで酒を断っていた。
禁酒の最終日(禁酒明けではないことに注意!)にはみんな集まってくれて、まだ酒が飲めないわたしの前で見せびらかすように飲むという「禁酒解禁前夜オフ」を開催してくれた。盛りあがったよ。
写真はその翌日、大森Tenderlyで飲んだアブサン
(朝PCから。後日言いまわしを微修正)

*1:ついでに禁煙も一年以上しているが、これは無期限。たぶん喫煙を再開することはないだろう。

終電車の着メロリサイタル*1

終電近い総武線、千葉行きの車内で突然着メロが鳴りひびいた。
だれも電話を取らず、起きている人がみなさりげなくあたりを見回しているところをみると、反対側の席で寝こけている男のケータイが鳴っているのだろう。しかし、なんの曲だったっけ。
最初は「聞きおぼえのあるメロディだ」くらいにしか思わなかったのだが、これだけ演奏が続くとさすがにわかる。バタ臭い顔をしたメガネのねぇちゃんの、ロングヒットしている、あれだ。

手紙 / アンジェラ・アキ


最近は若者むけのポップスで感動することはあまりないのだが、これはいい歌だと思う。

いま、負けそうで、泣きそうで、消えてしまいそうな僕は、誰の言葉を信じ歩けばいいの?

変なてらいがなく表現が素直で、まっすぐ胸に飛びこんでくる。はげましたくなる。若者の歌はこのくらいクサくてもいいじゃないか。
しかし、でもやっばりこの歌は若者むけだよな、とも思う。
大人になったら、「負けそう」ではすまないんだ。本当に負けてしまうし、泣くこともしょっちゅうあるんだよ。それでも消えてしまうわけにはいかない。
どうやったって自分から逃げるわけにはいかないのだから、そのときには蒲団でもかぶって、じっと自分という存在に耐えるしかないんだ。

敗戦投手 / さだまさし

敗戦投手の背中は悲しい。男ならだれでもその理由を知ってる。長い人生に一度や二度は、みずからマウンドを降りることもあるから。

今日の一枚

トップバリューの「ナッツとクラッカー」。とても安くて美味しいけれど、この組みあわせは絶対に太ると思う。

冬のスキット

「なあ」
「なに?」
「おれたち、つきあってもう何年になるかな」
「五年くらい?」
「うん。ちょっと長すぎたな。ゴメン」
「……何言ってるの?」
「うん。その、さ、ほかに、好きな人がね」
「何よ、それ」
「だから、ゴメン」
「……」
「お願いするよ」
「……」
「おれのことは、もう忘れてくれ」
「……」
「な?」
「うん、わかった。ハイ、わすれました!」
「すまない。でも、なんだか、そうきっぱり言われると、寂しいな」
「???で、あなた、だれ?」

今日の一枚

古代遺跡ではなく、散歩道にあった単なる噴水。