コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

世論と輿論

一昨日(id:Akimbo:20040731)から取りあげている文化庁の国語調査、要するに全体的に嫌いなのだが、その中で特にひどいと思うものを。
漢字を使った熟語の読みかたを問う質問の中に、「世論」がでてきた。さてどう読みますか。
実はわたしにはどう読むかわからない。たしか中学か高校で習ったはずなのだが、まじめに勉強していなかったむくいで、おぼえていないのである。
そこで同年代のまじめな友人に聞くと、「ヨロンと習った」とのこと。
各種辞典を参照すると、大体「セロン」、「セイロン」、「よロン」の三種類があげてあるようだ。そのなかで、「よロン」だけ湯桶読みで本来の用法ではなさそうなのに、なぜことさらにこの読みだけ教えられたのか。
多分、戦前には「輿論」(ヨロン)という同義語のほうが優勢だったのでしょう。そして、「世論」(セロン)には「よロン」という読みはなかった。
戦後、漢字制限がおこなわれ、「輿」という文字があえなく表外字となったときに、
「じゃ、輿論は書けなくなっちまうだぁ、どうするべ」
「いんや、ちょうど『世』の字は『よ』と読むだんべえ、『世論』と書いて『よロン』と読ませればええっぺよ」
というような会話が、国語問題審議会だかなにかでかわわされ、「それが正しい」ということになり、学校で教えられることになったのだろう。
それにしても、だれか漢和辞典くらいひいてみなかったのか。
そして、自分たち(の先輩)がもたらした日本語の混乱をなにくわぬ顔で調査し、「いやぁ、ばらついていますね」などとうそぶく文化庁というのはどういう集団なのか。
まあ少なくともこいつらに国語をいじらせるとろくなことにならないことはわかる。