諸君、オプティミストでいこう!!
『反社会学講座』(パオロ・マッツァリーノ著 イースト・プレス)読了。いやこれまた目からウロコが落ちる名著。
世は悲憤慷慨にみちている。だれでもなにか気にいらないことがあれば、社会システムや教育、島国根性など、「自分ではないだれか」のせいにして攻撃すれば自分の責任はおわりだとおもっている。
いえ自分を免罪する気はありませんよ。本欄もその気配が濃厚です。
その結果、われわれの頭は根拠もないのにいつのまにか巣くう俗論でみたされることになる。ポイントは「そこにいないだれかのせい」である。
いわく、
- 少子高齢化が社会を崩壊させる。
- 少年の凶悪犯罪が年々悪化している。
- 親から自立しなければ社会の構成員ではない。
- 日本人は古来勤勉な民族だった(それが今はなんだ)。
-etc.
マッツァリーノ(父は日本人、母はイタリア人らしい)は実際のデータと冷静な論考、そして辛辣なユーモアを武器にこれらの俗論を快刀乱麻スクラップにしてゆく。
それにしても、心理学はオカルト、社会学は役たたず、文学は不要となると、大学の存在意義ってあるんですか。
そして、わたしの目にはあと何枚ウロコがあるんでしょう。
書籍データ
画像
シマウマ。