"MADE IN USA"
『大暴露』(ウィリアム・パウンドストーン ハヤカワ文庫NF270)にこんな話が紹介されていた。
日本のある町が名前を"Usa"に変え、製品を"MADE IN USA"の表示でアメリカに輸出しようとした話はよく知られている。
わたしも十数年前アメリカ人から聞いたが、日本人なら瞬時にこの話が眉唾であるとわかるだろう。宇佐が今出来の名とはとても思えない。調べると、律令時代の国名だったらしい。宇佐神宮サイトにも五百七十一年とあるから、つまりこの地名は千四百年以上前から存在しており、アメリカ合衆国の七倍は古いのだ。
『大暴露』によれば、このジョークは千九百六十年代に流行したものらしい。その後十数年で"MADE IN JAPAN"は粗悪品の汚名をきっぱり返上した。
千九百八十五年に発表された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、タイムマシンを修理中のドク(千九百五十五年の人)が壊れたICを発見し、「ほら、やっぱり"MADE IN JAPAN"だ」とうれしそうに言う。千九百八十五年から来たマーティはその言葉をまったく理解できず、「日本製は最高だぜ」とこたえる。
できれば三十年後にも同じシーンで笑いたいものだ。がんばろう。
画像
仁王門。
訂正(2005年08月12日)
以下の修正をおこないました。
- 映画の発表年
- 千九百八十四年→千九百八十五年
- ドクがいる年代
- 千九百六十四年→千九百五十五年
記憶ちがいと計算ちがい。わたしは引き算が苦手です。