コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

ベラボー橋の下、テヤンデェ川は流れる

先日の本欄(id:Akimbo:20070828)で「てやんでぇ」という言葉を使ったが、投稿したあとに読みかえし、実はこの単語の意味を知らないことに気づいた。
この言葉は子供のころから時代劇かなにかで耳にし、「てやんでぇ、べらぼうめ!!」というかたちで江戸っ子の威勢のよい啖呵として記憶していたのだが、個々の単語の意味までは考えずに単なる記号としてとらえていたらしい。
「よく知らない言葉を使っているのも落ちつかないし、別の表現に変えるべきか」と妙に融通のきかないことで数分間逡巡していたら、不意に思いついた。「てやんでぇ」は、「なに言ってやんでぇ」の短縮形だ。
本当はそうでないのかもしれないが、自分の中で決着がついたのでこの件に関しては「解決済」として忘れることにした。この部分だけ融通ききすぎ。
しかし、ひとつ安心すると今度は「べらぼう」が気になってきた。
「べらぼう」の由来に関しては落語のマクラなどで何度か聞いたことがある。大工道具で飯粒を押しつぶして糊にする「へら棒」というものがあり、「穀潰し(ごくつぶし)」の意味で使われ、それが濁音化したというものだが、いかにもとってつけたような理屈で、語源俗解のにおいがぷんぷんする。別の由来があるはずだ。
これについてはうっすらと三日ほど悩んだすえにひらめいた。「べらぼう」は「ずんべらぼう」の短縮形ではないか。
「ずんべらぼう(ずべら坊)」は「のっぺらぼう」の発展形で、顔のみならず全身がぬぺっとした正体のつかめないものらしい。中国古典に出てくる「混沌」のようなものか。
得体の知れない人を「このずんべらぼうめっ」とののしるのはしごくありそうなことであるし、それが短縮されて「べらぼう」になるのも江戸っ子ならば十分にありそうだ。
うん、なんだか大発見をしたような気になってきたぞ(注: まだ調査も、検索さえもしていないときの感想です)。
どこかの噺家さんが偶然このページを見つけて、マクラに使ってくれないかしら。

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ミソラーメンにはトウガラシがよく似合う。

おしらせ

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