現実は厳しからずや

昔となりのおしゃれなおねえさんは
クリスマスの日 私に云った……、

「ねえ、今晩これからヒマ? ヒマでしょ? ちょっと飲みにいかない?」
「ヒマでしょ、って、ああた。……ヒマだけどさ。彼氏はどうしたの?」
「さっきまで一緒にごはん食べてたんだけど、なんだか仕事があるって、そそくさとどっかに行っちゃったの」
「こんな日に仕事なんだ。客商売は書き入れ時だからね。そんな感じの仕事してるの?」
「あんまり興味なかったし、くわしく教えてもらってないんだけど、そうなのかな。毎年この時期はこうなのよね」
「ふ〜ん。ちょっと気になるね。ホントに仕事なの?」
「それは本当みたいなんだけど」
「あ、そう。ほかに仕事の話とか、聞いていないの?」
「うん、外国人労働者のリーダーみたいな感じで、今年はルドルフが例年になく落ちこんでて、なだめるのが大変で、ダンサーたちもぴりぴりしてるとか言ってた」
「ダンサーね。ショーパブでもやってるのかな」
「ん〜、運送業っぽかったりもするのよね。最近レーダーの性能があがって油断がならないなんて言ってたし」
「外国人で、運送業で、レーダー? ……なんかこれ以上詮索しないほうがいいような気がしてきた」
「うん、まあいいの。明日の晩には帰ってくるから。ね、ケンタも誘って「Chen's Bar」に行こう。多分みんないるし」
　
恋人が本当にサンタクロースだったら、あまりロマンチックなクリスマスにはなりそうにない。

画像

銀座ミキモト前のツリーの表示"A Merry Planet"。"Christmas"じゃないのね。

おまけ - ミキモトツリー（デジカメ撮影、大サイズ版）

メリークリスマス!!