コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

禁酒の理由

三年間の期間限定で禁酒している。解禁日は今年の誕生日、九月十二日になる*1
別に体質に合わないわけでも、酒が嫌いなわけでもない。むしろ好きなほうだ。たとえれば、酒への愛が嵩じてDVまがいになってきたため、今別居中というところ。九月を楽しみにしている。
酒を断っていて驚くのは、禁酒を妨害しようとする人の多さだ。
酒好きの三年禁酒はなかなかの覚悟だと思ってもらえるはずなのに、平気で「じゃあ、今日は例外ね」などと言う。飲んでちゃ禁酒にならんでしょうが。
そういう人たちは、なぜ世のなかに断酒会やAA(匿名アル中の会)があるのか、号泣しながらいままでの人生を悔い、禁酒を誓った人たちが、なぜまたあっけなく酒におぼれてしまうのか、深く考えたことがないのだろう。
最近では、理由をあれこれ聞かれたあげく、「なんだ飲んでもいいんじゃん」みたいに言われるのは業腹なので、こう答えることにしている。
「いや実は、酒を飲むと病気が出るんです」
会話の続きは大抵こうなる。
「なんの病気? 肝臓?」
「いえ、わたし、お酒を飲むと手近の女性のお尻を触ってしまうという病にかかってまして……。さすがにいまのご時世でそれはまずいかなと」
ここまで言えば、アハハと笑ってもらえ、通常は以降酒を勧められることもない。それでも食いさがってくる人には断酒会云々の話をして理解してもらう。雰囲気は多少悪くなるが、しかたない。ここ一年くらいはこのやりかたでしのいできた。
しかし、上には上がいるものだ。先日も銀座のとあるスナックでウーロン茶を飲んでいるとき、ママさんに同様のことを聞かれたので、「いや、わたし、お酒を飲むと近くの女性の尻を云々」と説明したのだが、するとママさんはあたりを上目づかいで見回しながら、声を落としてわたしに断言した。
「あら、そんなこと、大丈夫よ。その病気もってる人、ここのお客さんにも大勢いるから!」
わはははは。こっちが笑わされてしまった。さすがプロ。
そしてもちろん、それから酒を勧められることはなかった。これもプロ。

今日の一枚

実は今回の禁酒は二回目で、前回は1999年6月8日から2002年6月7日まで酒を断っていた。
禁酒の最終日(禁酒明けではないことに注意!)にはみんな集まってくれて、まだ酒が飲めないわたしの前で見せびらかすように飲むという「禁酒解禁前夜オフ」を開催してくれた。盛りあがったよ。
写真はその翌日、大森Tenderlyで飲んだアブサン
(朝PCから。後日言いまわしを微修正)

*1:ついでに禁煙も一年以上しているが、これは無期限。たぶん喫煙を再開することはないだろう。