(しつこくつづき)そんなある日、
主人公が夜道を歩いていると、道の先で数人の侍が大勢の浪人らしきものたちに襲われているのが見えました。
「やいやいやいっ。多勢に無勢たぁ卑怯だぜっ」やっと板についてきた江戸弁でまくしたてると、手にもっていた道具箱と大工道具で加勢にはいります。
(あれ、大工という設定だったっけ?)
彼自身も浅手を負いながらやっと浪人たちを撃退したときには、侍たちはみな倒れていました。助けおこそうとするのですが、ほとんどみなこときれており、ただひとり虫の息だった血まみれの侍を、かろうじて長屋にはこび、介抱しました。
(つづき)侍は主人公を枕元によびます。
「なぁ、聞ぃつくれ。おれはもう長くねぇ」
「なにいってやがんでぃ。そんななぁかすり傷でぇ。ツバつけ…(以下略)」
「いや、おれにぁわかる。大事な臓物に刀が…(中略)みるとおまえさん、おれにそっくりじゃねえか。おまえを男とみこんでちょっとたのみがあるんだ」
長屋の人々の助けもあり、
看病ののち、侍はなんとか話ができる程度に回復しましたが、驚いたことに…。
はい、いいですか? お約束その三です。
目をひらいてしゃべっているところをみると、侍は、なんと、主人公にうりふたつだったのです。
(つづく)
その事件のあとも
主人公はその職にとどまって、庶民の味方としてあまたの事件を解決しました。このつづきはあまりにも有名なテレビドラマでどうぞ。
タイトルはもちろん、
遠山の金(キム)さん
です。
これだけひっぱって、
結局駄洒落かいっ。
(オワリ)