コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

(しつこくつづき)そんなある日、

主人公が夜道を歩いていると、道の先で数人の侍が大勢の浪人らしきものたちに襲われているのが見えました。
「やいやいやいっ。多勢に無勢たぁ卑怯だぜっ」やっと板についてきた江戸弁でまくしたてると、手にもっていた道具箱と大工道具で加勢にはいります。
(あれ、大工という設定だったっけ?)
彼自身も浅手を負いながらやっと浪人たちを撃退したときには、侍たちはみな倒れていました。助けおこそうとするのですが、ほとんどみなこときれており、ただひとり虫の息だった血まみれの侍を、かろうじて長屋にはこび、介抱しました。

(つづき)侍は主人公を枕元によびます。

「なぁ、聞ぃつくれ。おれはもう長くねぇ」
「なにいってやがんでぃ。そんななぁかすり傷でぇ。ツバつけ…(以下略)」
「いや、おれにぁわかる。大事な臓物に刀が…(中略)みるとおまえさん、おれにそっくりじゃねえか。おまえを男とみこんでちょっとたのみがあるんだ」

そのあとの話はみなさんご賢察のとおり。

主人公はかずかずの困難を乗りきって証拠がためをすすめ、お白州では、「お天道さまはごまかせてもなあ、この*1、桜吹雪が全部お見通しだいっ」と啖呵をきり、無事事件を解決しました。

*1:ともろ肌を脱ぐ

侍は、

奉行という、今でいう裁判官のような役目の人でした。
彼は、江戸城までふくんだある組織ぐるみの不正をみずからしらべている途中で、そのために遊び人*1に変装して情報を集めたりしていたのですが、今回はある役人から決定的な証拠を渡すという知らせをうけたため、その場所にでむく途中でおそわれたのです。
侍は主人公にのこりの証拠固めと奉行としてのさばきをたのみます。

*1:お約束その五

「わかった。わかったよ。でもそれはできねぇ相談…」

主人公がきっぱりと断ろうとした矢先*1に、侍は安心したようににっこり笑うとそのまま息をひきとりました*2

*1:「…わかったよ」のあたりですね。お約束その六

*2:お約束その七