コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

(つづき)「いつポケ」と「のだカン」のちがい

のだめカンタービレ」(二ノ宮知子*1は、ある音楽大学を舞台にした青春群像。世界にはばたける才能をもっているのに過去のトラウマで飛行機に乗れず、世界にはばたけない無冠のピアニスト(実は指揮者志望)千秋が、楽譜が苦手な野生の天才ピアニスト、野田恵(のだめ)とであい、さまざまな仲間と音楽の交流をとおしてともに成長してゆく。
ん? 設定だけ書くと、まるで「いつもポケットにショパン」だなあ。いや、クラシック系音楽マンガの設定はみなにたりよったりにならざるをえないんだ。しかし、「のだめカンタービレ」(以下「のだカン」)は群をぬいている。「いつもポケットにショパン」(以下「いつポケ」)よりすごい*2
そのすごさをひとことでいうとすれば、「躍動感」だ。
「のだカン」の登場人物たちはみな、自分の人生のなかで、自分なりのソロを演奏している。どこか不器用で、ズレていて、ときにはド下手なそのフレーズが他人のソロと出会う。ぶつかりあい、不協和音がうねるその共演はやがてそれなりのハーモニーをもち、あたらしい響きとなる。(つづく)

*1:作者名書くの忘れてました。

*2:くらもち先生ごめんなさい。でも、そう思うでしょ。