コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

伝達媒体の相互作用

最近マーラーをおもしろく感じる。
といっても、梵語由来の仏教隠語で婉曲な猥談をしようというのではない。んなこと思うやつはいないって。そうですか。すいません。
学生時代にマーラー交響曲一番を買った。購入直後に何度か聞いたのだが、記憶にない。楽しめなかったのだ。
おもうに、ベートーベンやモーツァルトの曲のように、聞いたことのあるフレーズを期待していたのだろう。そりゃつまらんよ。マーラーは長いことお倉入りだった。
ところが最近CDを再聴し、自分がマーラー一番を楽しめるようになっていることを発見した。
どう変わったのか。
むかしはひとつの固まりにしかきこえなかったオーケストラの音が、いまではさまざまな旋律の集合、というよりは、いろいろな楽器のセッションにきこえる。
「ホルンはああ来るか、じゃあ、バイオリンはこうだ」、「ここはオーボエのみせどころだから、おれたち低音弦が、こういうハーモニーで盛りあげてやるかな」
…という具合。もちろん、「のだめカンタービレ」の影響である。
音などでないマンガを読むだけで、音楽のききかたまで変わる不思議。