コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

百キロメートル

すこし前、飲み屋で、つけっぱなしになったテレビの中を杉田かおるが走っていた。二十なん時間テレビのイベントで、どこだかから武道館までの百キロメートルを走っているらしい。
わたしがみたときには九十なんキロかの地点で、息もたえだえにあるいていた。
歳はわたしとおなじだから今年は四十か。正直、老けたなぁ、と感じた。
ところが、最後の数百メートルのラストスパートでは見ちがえるようだった。目は二倍くらいに大きくなり、今にも極楽往生しそうだったババア顔はどこにいったのか、まるで余力を十分残したまま一位でゴールをかけぬけるアスリートのようなさわやかさである。そのまま武道館に入り、ステージにかけあがった。
そのときまで斜にかまえていたわたしが、猛烈に感動していた。さすが女優だ。見せ場をこころえている。時間配分もいい。トレーナーの指導があったにせよ、ちょうどフィナーレに間にあうよう到着する配慮がこころにくい。百キロ走っても「出」をはずさない。役者魂ここにあり。
ほめすぎですか。
しかし、武田鉄矢が「金八先生」時代の役名で呼びかけるのには辟易する。四半世紀まえのドラマをひきずってんじゃねーよ。