コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

さらば青年海外協力隊

四十歳になった。
十進数の節目にこだわりはないが、若干の感慨はある。青年海外協力隊に「三十九歳まで」という参加条件があるのだ。
中学生のとき、NHKのドキュメンタリーで青年海外協力隊を知った。房総半島の井戸掘り技術である「上総(かずさ)堀り」をアフリカにつたえようとする老人と協力隊員たちの苦闘をつたえる番組だった。
「だれかの役にたちたい」と思っていたわたしは非常に感銘をうけ、そのときから「いつかは協力隊」と思いすごしてきた。
実は、数年前に応募し、一次試験には合格していたのだ。しかし、会社をはじめ世間のしがらみに流され、果たせなかった。そして「再挑戦を」と思うだけで馬齢をかさね、締切をすぎてしまったわけだ。
では今応募可能であればするか。「否」である。
「協力」というからには、それなりの技術や仕事人としての能力が必要とされるだろう。当時のわたしには、英語力や専門知識はあったが、「仕事とはなにか」という大事な視点が欠けていた。まだ修行中である。
しかし野望はある。「技術をもった老人」になり、乞われて参加するのだ。
若さ以外のものをつたえる、そういう人間をめざしている。