コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

Amazing Grace

ときおり本欄にありがたいコメントをくださるhiromiさんは文章の達人だ。
今日は、hiromiさんのサイト内の日記「ひとりごと」2004年9月27日分、米軍での最後の仕事の話を読み、敬服した。
そして、思いだしたことがある。
もう十年前か。ニューヨークの片田舎に留学したわたしは、毎週のようにバスでマンハッタンにでかけ、観光していた。
ある日グランドセントラル駅にいくと、ギターで弾きがたりをしている女性がいた。スザンヌ・ベガみたいでなかなかいい感じ。
何曲かののち、アカペラで"Amazing Grace"を歌いだした。やった、好きな曲だ。
聞いているうちに、セントラル駅の高くまるい天井にひびく声に、体がふるえるほど感動していた。今なら落涙していただろう。この声はすごい。さっきとは別人のようだ。一声でハーモニーが聞こえる。
と思ったら、本当にハーモニーだった。わたしの横に立っていた、アドバルーンかあちゃんのように太った黒人のオバチャンが、三度だか五度だかで勝手にハモっていたのだ。
いやそれがいい声でさぁ。ほんと、いいもの聞かせてもらったよ。