コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

精神分析は洋風お祓いである。

精神分析理論は破綻した。それはまちがいないようだ。
ではなぜフロイトのインチキ理論が治療効果をあげ、二十一世紀に生きのこり、なお多くの人々を魅了しているのだろうか*1
それは「物語の力」である。
われわれは「因果関係」に大変よわい。言語の付帯物としてついでに習得してしまった論理は、人類のほこる能力であるとともにつまづきの石でもある。われわれは自分たちで考えるよりはるかに「もっともらしい説明」によわいのだ。
このため、精神分析のカウンセラーに専門用語を駆使され、「それは幼児期の体験が…」といわれると納得、つまり、信じてしまう。そのうえ原因が自分ではなく手のとどかない昔にあるとすれば安心だ。現在の自分を改善する必要はない。ただ過去のできことを断罪し、そして、自分はいたわられ、治療される存在であればよいのだから。
なにかに似ている。お祓いだ。原因が前世の因縁なのか幼児期の性的虐待なのかがちがうだけで、あとはそっくりである。
つまり、精神分析とは洋風お祓いなのだ。
あるいは、お祓いにも精神分析程度の効果がある。

*1:フロイト」や「精神分析」をキーに検索されたし。