コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

催眠療法はなにを発見するか

疑似科学批判の本で読んだアメリカの話。
ある女性が心のやまいをかかえ、催眠療法士をおとづれた。療法士は問題の根本的原因をさぐるため、彼女を催眠状態にし、過去にさかのぼらせる。
すると患者は驚くべきことをかたりだした。なんと彼女はおさないころ、実の父親に性的虐待をうけていたというのだ。その記憶はまったく抑圧されていたらしい。
父親がよばれ、事実を問いただされたが、それは父親にとっても「まるで身におぼえがない」衝撃的なことであった。
裁判がおこなわれた。心理療法士はじめ訴追がわの努力により、父親は結局自分がおこなった虐待をみとめ、泣いて前非を悔いた。判決は当然有罪、父親は数年間服役した。
しかしその後、事実関係の調査により、この「父親による性的虐待の事実」はうたがわしいとわかってきた。患者が治療時に「思いだした」記憶は、熱心に原因をさぐろうとする療法士の誘導により引きだされたものだったのだ。最終的に父親までがその妄想を共有してしまったらしい。その後、父親の名誉回復と療法士の責任追求の訴訟がおこされたという。
なんだかできすぎの話だ。本当かなあ。くわしいかたのご教示を乞う。