コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

海外自分さがしをするまえに考えるべきこと。

「本当の自分はここではない別の場所ですばらしいことをしている」
だれでも一度ならずおもうことだろう。かくいうわたしも二十世紀にはそう思っていた。
このため、長期バックパッカーの常套手段、「しばらく日本でバイトして金をため、その金がつきるまでアジアをふらつく」という生活にあこがれたものだ。
しかしある日、これは実は金持ちぼんぼんのお大尽旅行とかわらないことに気づき、なんだかさめてしまった。
まずこれは、日本円が大変強い通貨であることを前提にしたやりかたである。国際的に強力な通貨を短期で安全にかせげるのは、アジアでは日本くらいではないか。それはなにより、日本からにげださず、一所懸命にがんばっている人たちのおかげである。
つぎにパスポート。日本のパスポートで入国できる国数は、おそらく世界で一番だろう。これは戦後、よごれ仕事をひきうけてくれるアメリカという隣人のもとで経済活動だけに邁進できたおかげである。その結果たまにいける海外旅行ではここぞとばかりに金をつかう。歓迎されないはずがない。
この状況で海外にゆき、自分がみつかるのか。まるで釈迦の手のひらの上の孫悟空じゃないか。