コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

勘違いして帰ってくる

外国に滞在すると勘違いして帰ってくる人がおおい。
「自分だけを免罪しない」が本欄のモットーなので正直に告白しておくが、わたしも九年前に一年間の米国滞在から帰ってきてしばらくはその雰囲気の中にどっぷりつかっていた。今はもう抜けだせたと思っているのだが、まだこんな文章を書きたくなるところをみると、しっぽぐらいは引きずっているのかもしれない。
わたしの観察した範囲では、欧米にいた人は合理的で自由な雰囲気を、アジアにいた人は日本にはない「いいかげんさ」を感じ、どちらも気楽だと思うようだ。
しかしその「気楽さ」はたぶん旅行者が感じる解放感の延長線上にあるものだ。永住するつもりもない「よその土地」に滞在するのは気楽だよな。
また、現地のひとびとも外国からきた隣人を自分たちの文化集団に属するとは思っていないだろう。だから少々のいきちがいや無作法があってもそれは旅行者がおこした変な事件としてとらえられ、深刻な事態にはなりづらい。つまり、外国での「ママコあつかい」をその土地の持ち味だと感じていることがおおいのである。
逆に、日本でも旅行者の気分でいれば楽にくらせるのだろうな。