コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

表音文字と表意文字

昔、文字には表音文字表意文字があると教わった。アルファベットやかなは表音文字で、漢字は表意文字だというわけである。
しかし、漢字のことをちょっと知ると、漢字が表意文字だというのはマユツバのように思えてくる。
漢字一文字一文字は支那語の一語をあらわしたものである。一語というのはたとえば菊や三のように一つの意味と結びついている。これが漢字が表意文字だといわれるゆえんなのだろうが、漢字はもともと支那語の語をあらわすために作られたもので、支那語は一語一音だから、漢字は語とともに音もあらわしているのだ。
それでは漢字は表音文字だとひらきなおってもいいかというと、そう簡単にもいかない。同音異義語というものがある(はずだ)。おなじ音をあらわす漢字が複数あり、それぞれ意味がことなるため、ある漢字を音だけおなじ別の字で代用するわけにはいかない。
しかし、英語などをみても、同音異義語がことなるつづりをもっていたりする。これも同音のことなるつづりでまにあわせることはできないから、表音文字といえども表意的な性格をもっているわけだ。
つまり、表音表意といった概念は曖昧なものなんですね。