コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

望遠レンズと広角レンズ

われわれは近しい人には関心を示すが、かかわりのうすい人に対しては冷淡である。
なんだかこう書いているだけでやましい気分になってくるが、実際テレビで飛行機墜落が報じられても、「邦人乗客はいなかった」とつげられた時点でその事件が自分の中では終わったも同然のあつかいとなるし*1、逆に知りあいのいる地域で発生した事件は念入りにみてしまう。それが悪いといいたいわけではない。そういうものなのだ。
しかし、われわれのこの性質がメディアによっていいように操作されていることは気にとめておく必要がある。
前にも書いたが、メディアの目的はわれわれの目をひき、ものを売りつけることである。このためにメディアは日々発生するできごとからわれわれの食いつきがよいものをえらびだし、それをさも重要なことのようにくわしくつたえ、さらなる関心をかちえるわけだ。対象をとりあげる基準は「うけるかどうか」のみである。かくして世はオバサン同士のあらそいやアザラシやカモのニュースであふれ、われわれの優先順位づけ機能は破壊される。
これ、結構こわいことだと思う。

*1:昔はテレビのこの報道のしかたに怒ってました。若かった。