コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

解説者のキャラが立ちすぎでした。

ずいぶん前のこと、テレビで将棋中継をみた。加藤一二三さんと内藤國雄さんの対局だった。
将棋に興味のないわたしが対局者までおぼえているのは、解説が米長邦雄さんだったからだ。
いや、解説で対局がよく理解できたというのではない。逆だ。米長さんは将棋そっちのけで対局者たちをおもしろおかしく紹介することに腐心していた。こんな感じ。

米長
この対局のみどころはふたつです。
アシスタント
どういうところでしょうか。
米長
まず、加藤さんのネクタイの長さです。
アシ
はぁ…。
米長
そして、対局中に加藤さんが何回、ほら、ああやって立ちあがるかです。…内藤さんもすごいんですよ。レコードも出している歌手ですからね。彼は将棋界で一番歌がうまく、歌謡界で一番将棋のうまい男といわれています。
アシ
あの、将棋の話を…。

大笑いし、心配になった。わたしなどにはたのしい解説だが、真面目な将棋好きから抗議など来ないだろうか。
まあ、棋士がみなああだと困るが、「米長さんじゃしょうがないなぁ」という感じなのでしょうね。わたしもファンになってしまった。どんな将棋をさすのかなどはまったく知らないが。