コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

猫の恩返し、あるいは、猫の仕返し。(写真日記猫)

知人の家で、はやばやとクリスマスツリーをかざっていたら、飼い猫がそれに攻撃をはじめた。
最初は、手のとどくところにある、雪を模した脱脂綿や飾りにちょっかいをだしていただけだったのだが、我慢しきれなくなったのか、遂にツリー本体に体あたりした。その結果、ツリーは大破、飾りは四散、その家のクリスマスデコレーションは中止となってしまった。再開のめどはたっていないという。
「いやあ、猫ってぶらぶらしているものが好きでしょ、それに、ランプのチカチカがかさなってるから、格好の標的だったようです」
知人は「猫野生説」にたちそう述懐するが、私には異論がある。日本の猫はクリスマスがきらいなのだ。
そもそも猫はなぜ日本にいるのか。奈良時代あたりに支那からつれてこられたらしい。書籍をネズミの被害からまもるためであった。
当時の書籍といえば当然仏典である。危険な航海をへて日本にいたり、書庫の番人となった猫たちは、いわば命を賭して日本の精神文化をまもってきたのだ。
しかるに、いまの日本はその大恩をわすれ、西洋の神様にばかりおべっかを使い恥じることがない。
猫たちは憤懣やるかたないのだ。ツリーにあたるわけである。