コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

ルーズな靴下、ルーズなズボン、ルーズな牙

サーベルタイガーは絶滅した動物の例としてよくあげられる。失礼な話だ。ただ一回の絶滅のことでとやかくいわれるのは不本意だろう。
といいつつ今回も絶滅の話である。
サーベルタイガーは牙がのびすぎて絶滅したらしい。図版などをみると、たしかに「なぜここまで」とおもうほどながい。なぜこうなってしまったのか。
定向進化という考えかたがある。一度すすみはじめたある変化にはずみがつき、過剰にみえるほどすすみつづける。ありそうな話だが、むかし読んだ解説書には、なにがはずみ車の役割をしているかという説明はなかった。勝手に推測すると、外見上の変化に関しては異性のこのみだ。
人間社会での例を。数年前、女子高生の白い靴下はのびつづけ、男子高生のズボンのベルト位置はさがりつづけた。もちろん、異性の目をひくためだ。
しかし、どちらもあっというまに絶滅した。環境の変化で淘汰されたのだ。サーベルタイガーにも同じことがおこったのだろう。進化の大事な原動力は、実は「なりゆきといきおい」である。
この一点で、利己的遺伝子という概念は、進化の一部分のみに適用できる擬人化にすぎないと考えているが、どうだろうか。