コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

「死ぬってどんなキモチかなあ」

映画『ネバーランド』をみた。劇作家『ピーターパン』バリと、モデルになった少年たち一家の交流をえがいた佳品。父を突然うしなった心の傷が癒えていない少年たちにこどもごころをとりもどすため、われらがバリは『ピーターパン』を書くのだ。泣けた。いや歳のせいかもしれませんが。
正直、冒頭が冗長だったり、人物描写に類型的なところもあったが、劇中劇などのしかけがたのしく、「みてよかった」とおもえる映画だった。
なかでも死に関したせりふには光るものがおおい。
冒頭の「死ぬってどんなキモチかなあ」は劇中劇で絶体絶命になったピーターパンがあっけらかんというもの。はっとした。まあこれはバリのてがらですか。
ではもうひとつ紹介。映画の冒頭で劇を見にきていた老夫婦が、最後ちかくの『ピーターパン』上演のときには夫人だけになっていた。「ご主人は」と聞くバリに夫人はあかるくこたえる。「主人はなくなりました。もしみていたらとても楽しんだでしょうね。…考えると、われわれみんなおなじですわね。ずっと「その時」というチクタク鰐に追いかけられているんですわ」
だれか大切な人と見にいってください。