コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

鬱玉と酒玉

先週日曜日、夜明けまえに目ざめ、異常に気づいた。なにかがちがう。
台所で水をのみ、一服しながらあたりを観察したが、なにかが来てしまった、という感じではない。むしろ去っていったというか。
しばらく考え、変わったのは自分だとわかった。なんだかはればれとしている。前日まで胸のあたりにいすわっていた、大きな丸いかたまりがとれたような気分だ。
そこではじめて、昨日までの自分がなにかにとりつかれていたことを理解した。
きっとそれは妖怪だったのだ。ある日突然いすわり、精神をすこしづつ食べてゆくという。名前はおそらく「鬱玉」(鬱魂かも)。ずいぶん長逗留していたような気もするが、いつわたしのところに来たのか、なぜ去っていったのかはわからない。そういうものだと思うしかないのだろう。
夕方にもうひとつ発見した。ビールを飲みたくならない。もう一匹、酒玉もいたのか。
それにしても危ないところだった。これ以上食べられていたらどうなっていたことやら。いやもう喰いつくされているのかも。
やっこさんたち、まだ多分そこらへんをうろついています。お気をつけください。