コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

負けてもいいんじゃないですか?

サッカー世界杯アジア地区最終予選で日本と北朝鮮が戦うらしい。
車内づり広告に曰く。

絶対に負けられない戦いが、そこにはある・AFC

正直いって、よいコピーだと思った。この文を読んだわたしの頭のなかには今まで日本が北朝鮮からうけた屈辱がフラッシュバックし、全身の血が逆流した。二月九日の午後七時にはなにがなんでもテレビの前で声援をおくらずにはいられないという気にもなった。
おおげさですか。
しかしこれは、要するにサッカーの話である。この試合が決するものはサッカーの優劣でしかない。べつに日本が北朝鮮に勝ったからといって北朝鮮が前非を悔い、拉致被害者を全員帰国させるわけでも、核を廃棄して平和国家への道をあゆみはじめるわけでもあるまい。
正直サッカーにはうといのでちがっていたらあやまるが、そもそも北朝鮮が出場しているということは、国家ではなく地域の代表がたたかうのだろう。もちろん地域間の因縁も承知しているが、そういう見立てでスポーツ観戦をおこなうのは、健康すぎないだろうか。
スポーツはスポーツ、政治の問題は別にきっちりおとしまえをつける、というわけにはいかないものか。いかないのだろうが。