コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

連立方程式で考える。―犯人は「から」か「おあずかり」か?

千円からおあずかりします。[式1]

については以前すこし書いた(id:Akimbo:20040710:1089436005)が、「黌門客」(id:higonosuke:20050223:p1)でこれに言及した文章が種々引用されていたので、もうすこし考えてみる。
これら文章の書きてには、「から」が気になる人と「おあずかりします」が気になる人がいるようだ。つまりこの方程式に変数はふたつある。にもかかわらず大抵は例文ひとつだけで「『から』が不要」だの「『おあずかり』が変」だのといっているため、解が一意にさだまらず収拾がつかなくなっているのだ。
そこで、もうひとつ式をたて、連立方程式にしよう。

七百五十三円ちょうどおあずかりします。[式2]

これもよく聞く耳ざわりな表現だ。そして[式2]でははっきりと「おあずかりします」が「頂戴します」のかわりにつかわれている。これを[式1]に代入すれば、正しい文章「千円から頂戴します」が得られる。
「頂戴します」のあやまった婉曲表現として「おあずかりします」を使う傾向は、多分平成元年四月一日以降にひろまったものだ。この日「みなさんから『おあずかり』し、国におさめる」消費税が施行された。