コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

いましめ

手元に読むものがないときには、言葉のことを考えている。結構いい暇つぶしになる。
たとえば「いましめ」。現代では多分、「禁止事項」といった意味で使われることが多いだろう。時代劇などでは、悪役にとらえられていた人が「このいましめを解いてください」などと言う。これは「縛られている状況」のことである。具体的には縄だか帯だか貞操帯だかで拘束されているのだが、はずした縄を「いましめ」とは呼ばない。あくまで人間が動けない状況を指す言葉である。
言葉のなりたちはどうだろうか。「よくないものとして避ける」という意味の「忌む」に使役の動詞「しむ」がついているから、動詞「いましめる」は「避けさせる」という意味だ。それが名詞に転じ、「ひとの行動を制限するもの」という意味になったわけだ。
ところで、「忌-ま」は「忌-む」の活用形だが、語尾が「ま-み-む-む-め-め」と活用するから、これは未然形となる。未然形といえば、てっきり、「-ず」や「-ない」につながり、未完了の状態をあらわすものだと思っていた。活用形の名称にだまされていたのか。いやわたしの不勉強か。
と、終わりなく楽しめます。おためしあれ。

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どっちやねん。