コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

「お〜い、お茶」俳句に学ぶ(1)

ペットボトルのお茶はたいてい伊藤園のものを買う。別に味が気に入っているわけではなく*1、側面についている「伊藤園新俳句大賞」の受賞作を読むためである。
作品は右から年齢順にならんでいる。伊藤園俳句は、この年齢と一緒に楽しむのが正しい。
たとえば次の句。

お正月おばあちゃんちに十六人

これが二十歳男性の句だったら「トホホ…」という気分になるだろう。作者の欄に「都道府県賞(滋賀県長浜市・5歳・白川泰教)」とあるのをみて、やっとこのすなおな観察句の真価がわかるのだ*2
年齢と一緒に句を鑑賞すると、おもしろいことに気がつく。若年層では、小学校低学年の子供の句によいものが多い。これが十歳以上になると、気取った言い回しやうわすべりな比喩が増え、とたんにつまらなくなる。有季定型を満たしてはいるが、ひとりよがりの叙情詩となってしまい、俳句とよべないものが多いのだ。
この傾向は、十六七歳をピークに二十歳くらいまでつづき、その後落ちつくようだ。青春に特有の自意識は俳句にそぐわないのかもしれない。

画像

英語俳句。

*1:むしろ昔にくらべまずくなったと思う。

*2:余談だが、下五が「十六茶」じゃなくてよかった。