コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

どこを切っても貫太郎、もとい、どこを切っても天才だ ― 小林亜星

以前、わたしの音楽の師匠、森君の家にキダ・タローのビデオを持参した。ひとしきり笑ったあと、森君がポツリと、「でも、本当にすごいのは、やっぱり小林亜星ですよね」と言った。確かに。
「ワンサカ娘」、「日立の樹」、「ひみつのアッコちゃん」、「ピンポンパン体操」、「パッとさいでりあ」…、ぐらいはすぐに思いつく。きっと、普段なじんでいるのに気づいていない仕事も山のようにあるのだろう。
しかし小林のすごさは作曲数ではない。人を引きつけてやまないメロディの中に遊び心が横溢しているのだ。ちょっと聞きこむと、曲のあちこちに小林が隠しておいた真珠がキラキラ見えるような感じ。残念ながらわたしは音痴だが、音楽がわかる人ならばもっと楽しいのではないか。
たとえば「ピンポンパン体操」。いきなり「ズンズンズンズンズンズンズンズン、ピンポンパンポン♪」とくる。ファンキーである。子供の体操がファンキーなのだ。かと思えば「ガンバラナクチャ」と流行語に挨拶し、さらにいきなり「ハナコさんハナコさん、ママの名前はハナコさん♪」とハワイアンになる。油断も隙もない楽しさ、やはり天才だ。

画像

愛知九泊(© 富山いづみさん)。

追記

小林亜星のCMソング集がありました。

小林亜星CMソング・アンソロジー

小林亜星CMソング・アンソロジー

収録曲をよくみると、「レナウン娘」ではなくて「ワンサカ娘」、「日立の木」ではなくて「日立の樹」、さらに「パッとサイデリア」ではなく「パッとさいでりあ」でありました。ひっそり恥じながら*1修正。

*1:特に二番目は個人的には大問題。