コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

スーダララッタ、吹、吹

十年ほど前のこと、雑誌の読者欄にこんな投稿があった。

大阪のある駅で二人の女性が話しているのが聞こえた。「ねえねえ、吹田(すいた)って読みかた、ヘンじゃない?」、「うんうん、どう読んでも、「ふきた」よねぇ」、「でしょ〜」
よそから来たらしいお嬢さんたちに、「じゃあ「吹奏楽」はどう読みますか?」と聞いてみたかった。
(大意)

吹奏楽」という例がいい。問題のツボをおさえており、思わず納得してしまった。どうということもない話なのに、いまだにおぼえている。
しかし最近、別の意味でこの投稿のことが気になってきた。投書子は「すいた」が重箱読みなのは気にならなかったのだろうか。
地名としては「吹田」は「すいた」であり、うたがう余地はないし、それに異をとなえるつもりもない。しかし、その読みのおさまりは悪い。それを感じることも重要なのだ。くだんの女性たちは「吹田」にそのズレを感じ、素直に口にした。それを聞きとがめたオジサン(推定)は、ものごころついたころから慣れしたしんだ表記を不合理だとけなされ、ムッとした。そういうことなのだろう。
ところで、「吹聴する」って、どう読みます?

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煙部屋。