コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

トンボのメガネにも宇宙がうつる。

昆虫の複眼は無数のちいさな目で構成されている。理由はしかるべき本に書いてあるのだろうが、読んでいない。あてずっぽうでいうと、目を複数あつめることでそれぞれの機能の低さをおぎなうため、また、配置の自由度をたかめ、視野をひろくするためである。
と書いてから思いついたが、逆かもしれない。昆虫の目にはピント調節機能がない(これもあてずっぽう。あったらごめん)。このため、できるだけ小さなレンズをもちいて針穴写真機のようにどこにでもピントがあうつくりになっているのだ。小型化のため犠牲にした機能は複眼でおぎなっているのだろう。
はいそこ、まにうけないように。
昆虫には世界がどう見えているのだろうか。
こどものころ見た「昆虫メガネ」というおもちゃにはちいさなレンズが敷きつめられており、かざすと無数のちいさな景色が見えた。
「昆虫は不便だな」と思ったような気がするが、いま考えると昆虫だってうたがいなく世界をひとつのものとして認識している。
証拠はわれわれ自身だ。人間も複数の目をもつが、世界はひとつきりだと理解しているではないか。
「昆虫メガネ」は、実に非科学的な科学玩具だったのだな。

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台風一過。