コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

ダメなようでやっぱりすごい国アメリカ

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーⅡ』のおもな舞台は、映画の公開から三十年後の二千十五年である。
冒頭では主人公のマーティ・マクフライはしがないサラリーマンで、「フジツウ・イトウ」という日本人の上司にペコペコし、あげくクビになる。
『Ⅰ』で千九百五十五年以降の日本経済の成長を"MADE IN JAPAN"の挿話でさりげなくしめし、『Ⅱ』ではそれを誇張してアメリカの未来をほろにがいユーモアでうれえている。さすが「時間の魔術師*1ロバート・ゼメキス、細部にまでよく気をくばっている。
さて映画の公開から二十年たった。日本の快進撃はストップし、アメリカは復活した。すくなくともあと十年で映画にえがかれたシーンが日常的なものになるとは思えない。なぜか。
たぶん二十世紀末にアメリカは変わったのだ。傲慢さをすて、自分たちの弱点を分析する国家プロジェクトを結成した。日本や欧州の企業を研究し、よい点を真摯にまなび、とりいれた。
日本にそういう反省を国家的におこなえる風土はあるか。お寒いかぎりだ。われわれが学ぶべきアメリカ的美徳は率直さやフェアさであって、英語や陽気さなどの上っつらではない。

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USA。

*1:Akimbo命名