コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

ナス科の植物

ナスビについては、「この栄養素があるからからだにいい」という話を聞いたことがなかった。
つまり「おいしいから食う」という野菜だったわけで、そのいさぎよさが気にいっていたのだが、ある日電車内の広告にこうあった。

EGG PLANT NASUNIN

どうやらナスビからもからだにいい成分が発見されたらしい。余計なことをするものだ。しかも名前は「ナスニン」。トマトの栄養分はリコピン、ジャガイモにはソラニン(これは芽に含まれる毒だが)、一見関係なさそうでありがたそうな名前がついているのに、ナスビにはナスニン…。考えてつけとんかいっ。ナスビにあやまれ。
ナス科の植物はバラエティゆたかだ。ナスビ、トマト、ジャガイモ、チョウセンアサガオキチガイナスビ)、そしてトウガラシにタバコ(!!)。どれも独特の、他にかえがたい魅力がある。ひょっとして、このバリエーションで人間にとりいるのがナス科の植物がとった生きのこり戦略ではないかとも思えてくる。
ときどき、「もし××科の植物がなくなったら」などと考える。ナス科の植物がなくなれば、まずイタリア人(トマト)とドイツ人(ジャガイモ)と朝鮮人(トウガラシ)がこまりそうだ。タバコが撲滅できるので、アメリカ人はよろこぶかも。
では日本人はどうか。
肉じゃがや焼きナスが食卓から消えるのも困る。が、やはりオムライスが食べられなくなるのが一番問題だと思う。
【2005年08月23日 総武線快速車内】