ギンギラ太陽's公演「翼をくださいっ! さらばYS-11」
ちょっとおもいで話を。
高校のときには演劇部に所属していた。そう、どうしてもみたい演劇公演のチケットを手にいれるために橋のうえから筑後川にとびこんだり*1、遠賀川にとびこんだり*2、はたまたステージで泥饅頭を食べたりしていたのだ*3。
いや実は文藝部と演劇部と、ついでに映画研究会が一緒の部室だったので、文集の発行や演劇大会や映画撮影などのイベントに相互に借りだされているうちに、いつのまにか各部の境界があいまいになりわけのわからない集団になっていたのだ。わたしは最初文藝部に入部したのだが、小説も発表し、映画の撮影もおこない、高校演劇大会にも出演したこともある。さわりたいようなさわりたくないような、痛がゆい青春の一ページである。
わたしが高校二年のとき、そんな「なんちゃって部員」が過半をしめる演劇部に、ちゃんと目的意識をもったまじめな演劇少女が入ってきてしまった。なぜかというと演劇部はひとつしかなかったから。そして、先輩をふくめた全員に発声練習や演技指導をほどこし、なんだかわからないアメーバを、まあ演劇部といってもウソではないよなあ、というような多細胞生物に進化させてしまったのである。
彼女はその後、大阪の大学にストレートで合格し*4、卒業後は地元福岡にもどって働きながら演劇をつづけていたが、所属している劇団が福岡でどんどん有名になり、今度は東京で公演をおこなうという。すげ〜。
福岡で話題沸騰の超人気かぶりモノ劇団がいよいよ東京進出! 新規参入スカイマークエアラインズが誕生した1998年を舞台に飛行機さんや空港さんが繰り広げる笑いと涙の物語。これは人間が登場しないヒューマンドラマだ!
ギンギラ太陽'sは建物乗り物を擬人化し、かぶりモノを被ってその登場人物を表現するのが特色の劇団です。「人間」は一切出てきません。役者は「かぶりモノ」を被り、一人何役もの役を「かぶりモノ」と衣装を着替えながら演じていきます。
今回上演する作品は、地元福岡の現在と過去を写しだした作品として、笑いとともに史実に基づく描写で客席に感動をもたらした劇団の代表作、飛行機たちや空港たちが織り成すヒューマンドラマ?です。
1998年、スカイマークエアラインズがたった一機の飛行機で長い間閉ざされていた航空業界に殴りこみをかけた年を舞台に、大手三社と新規参入のスカイマークとの戦いや、消えていこうとする最後の国産飛行機YS-11型機の姿を描きます。
地元に根ざした「笑って泣けるエンターテインメント」劇団として福岡の演劇シーンを盛り上げてきたギンギラ太陽's、いよいよ東京進出!どうぞご期待ください!
(PARCO劇場サイトの公演案内より)
世界一のかぶりもの劇団*5、ギンギラ太陽's、こいつら、あなどれない。
明日(10/9)までの公演です。お時間と四千五百円のあるかたは、是非ご覧ください。わたしは本日(10/8)に見にいきます。
で、なにがいいたかったかというと、
わたし、高校時代にその彼女と共演したことがあるんです。自慢かいっ。微妙な自慢だ…。
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ギンギラ太陽'sのロゴ。福岡人なら誰でもすぐにわかる、西鉄バスのかぶり物を使っているところがにくい。