「Good Job」
「のだめカンタービレ」と「おいピータン!!」が読みたいがために「Kiss」を毎号買っていたのだが、ほかのマンガもちらちら読んでいると、「むむ、その身のこなし、じゃなくて、そのキャラ、そのストーリー展開、おぬし、ただものではないな!!」と思わずつぶやいてしまう作品にでくわすことがある。よくある。「Good Job」(かたおかみさお、ちなみに♂)もそのひとつである。
八年間の断続的な掲載で働く女性たちを中心に着実な人気を保っていたこの作品がNHKでドラマ化されるということで、あわてて紹介。
(ドラマ「Good Job」番組サイト: http://www.nhk.or.jp/gj/index.html)
舞台はある建設会社*1の営業2課。そこで働く「番長」こと上原草子と同僚たちが日々の仕事で遭遇するさまざまな出来事と、それを通して人々が成長してゆくさまをていねいにたどっている。
ミス、人の不和、仕事の不均衡、恋愛、等々、職場では毎日いろいろな事件が起こる。主人公の上原「上ちゃん」草子はそういった問題に直面した同僚たちがみずからの力で問題を解決してゆけるよう、調整や助言、時には叱咤*2でサポートしてゆく。
こう書くとなんだか単なる「お仕事ハウツー漫画」みたいなのだが、各エピソードの読後感は「ほぉ、なるほどねぇ」ではなくて「よし、わたしもがんばろう!!」である。視点を「営業2課の定点観測」に固定し、エピソードごとに課員のだれかにスポットライトをあて、その性格や生活をこまかに描くという群像劇であるため、心理描写やモノローグのひとつひとつにリアリティがあり、読んでいるこちらも一緒に成長している気分になる。ある回ではで悩みに悩んでいた登場人物が、別の機会にさりげなく同僚を助けたりしているのをみると、それだけでうれしい。
なにより、軽くみられがちで給料も安いはずの「OLさんたち」が「プロのOL」として、胸をはって仕事をしてゆくさまにオジサンもはげまされちゃうのだ。だから、各エピソードを読了したときにはさわやかなあと味を感じながらも、「わたしはいまの自分の仕事に彼女たちくらいのプライドをもって立ちむかっているだろうか」と反省する。
連載は先日終了してしまったが、「まじめだが融通がきかず素で怒り顔」の南や「恋愛至上主義だけどちゃんと仕事してます。ときどき泣くけど」の二岡ちゃんにまた会いたくて、「Kiss」のバックナンバーを引っぱりだしては再読している。
明日からのドラマも、番組サイトを見るとスタッフのやる気が伝わってくるようで、柄にもなく録画予約をしてしまった。なんといっても、南を演じるのが市川実日子だ。
ええと、未読のかた、「マンガのほうを読んでから」というのはすでに間にあわないけれども、ドラマをちょいと見て、ピンとくるものがあったら、ぜひ原作にもあたってください。おもしろいんだから。
画像
佐嶋建設のマスコットキャラクタ「さじまん」。
P(プロデューサー)さんは セットや
小物を丁寧に細かく
造ってる それが
役者さんのやる気に
繋がる など
いろんな話を熱く
語ってくれました(「Kiss」7号掲載、原作者かたおかみさおのドラマルポ漫画から)