コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

ナス・インプロビゼーション

「あのさ、ジャガイモって、なに科の植物か知ってる?」
「突然なに? 知らないけど」
「ナス科なんだ。トマトもおなじナス科」
「へえ」
「だからね、ナス科の植物がなくなったら、イタリア人は大弱りだよ」
「あはは、そうかもね」
「ほかに知ってる? ナス科の植物」
「ん〜、ナス!!」
「ピンポーン!! 大正解!! よくわかったねぇ」
「ワレ、バカにしとんのかい」
「まあまあ。ほかにもね、ほら、トウガラシとか、うん、ピーマンもシシトウもそうだよ。あと、このタバコもナス科」
「なんだ、ナス科の植物が消えちゃったら、あなたが一番困るじゃない。禁煙しなさいよ」
「ええと、かわったところでは、チョウセンアサガオって知ってる?」
「スルーかよ」
「麻酔作用があるんだ。華岡青州が日本で最初の麻酔外科手術に使ったの」
「ふ〜ん。ナス科って、なんだか節操ない感じする」
「それがさ、こうやってならべてみると、人間に対してほかにかえがたい魅力を発揮しているところが共通してるんだな」
「ああ、それはそうかもね」
「でね、ぼくは、ナス科の植物は宇宙人が人類をコントロールするために地球にもたらしたものだと考えてる」
「……はいはい」
「いやホントだって。証拠もあるんだ。トマトやジャガイモの原産地はアンデス山脈なんだけど、おなじ南米に、その設計図のような古代遺跡が残っているの。ペルーにあるんだけど、知らない?」
「え、本当に? 知らないけど」
「うん。「ナス科の地上絵」っていってね」
「…………」
「あの」
「…………」
「ナスカとナス科をね……」
(バキッ)

画像

ナス。