(つづき)
…たとえが悪いな*1。
そう。ジャズのジャムセッションだ。相手がどうでるかわからない。こっちもそれに100%あわせてやる気なんかない。それでも、やりとりをしているうちに相手と自分の息があい、まるで神様が降りてきたような「黄金の瞬間」があらわれる。その幸福。
「いつポケ」はどうだろう。まず、ストーリーが、エピソードが、とにかくうまい。作曲者が書いた楽譜のすばらしさきわだつ。演奏者たちは、とにかくスコアの音符ひとつつひとつを丁寧に演じてゆく。最後のひとこま、タイトルを伏線としたコーダにいたるまで。しかし、どこかに音楽のもつライブ感を置き忘れてきたような気もするのだ。
この差はたぶん、作者たちの創作方法のちがいによるところが大きいのだろう。くらもちふさこはネームが最後のひとこままで完成しないうちはペン入れしなかったという。だから、ストーリーのなかにちりばめられたちいさなエピソードが大きな伏線となり、ジグソーパズル後半戦のようにバシバシと音をたてて(つづく - いつまで?)