コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

俳句に一番大切なもの。

俳句が好きだ。芭蕉や子規の句も好きだし、現代人が俳句について書いたものもおもしろい。内緒だが、「お〜いお茶」のボトルについた俳句も結構よろこんで読んでいる。
では作句はというと、…実はしている。勇を鼓してひとつご披露しよう。

花粉症の人をみて。

春一番目にしむ杉のエッチかな  穐穂

…作句はしてますが、得意だとは言ってませんからっ。でも、わたしらしいでしょ。考えすぎで。句には人柄がでます。
さて、俳句を俳句たらしめているものはなんだろうか。すぐ思いつくのは次のふたつだろう。

  1. 五七五の定型であること。
  2. 季語を含むこと。

しかし、俳句に触れていると、これらは実は俳句の必須条件ではないことがわかってくる。俳句に一番大切なものは「切れ」である。
切れは字数のかぎられた句に停止をつくり、余韻をふかめる。例をひとつ。

古池や蛙飛込む水の音

これが、

古池に蛙飛込む水の音

だとどうか。古池の印象がうすまり、「ああそうですか」と言うしかない句になってしまう。
作句ではまずどこで切るかを考え、鑑賞ではどこで切れているかに注意すべし。五七五や季語は二の次です。

画像

初雪や…

書籍データ

※ 本日の記事中、「古池や…」の句を用いた切れ字の解説は金子兜太さんの本によっています。

金子兜太の俳句の作り方が面白いほどわかる本
金子兜太編著

出版社 中経出版
発売日 2002.06
価格  ¥ 1,260(¥ 1,200)
ISBN  4806116378

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内容は平易で、作句とそのコツから句会や吟行、結社といったことまでひろく解説しています。金子兜太さんが俳句について書いている文章は大変おもしろい。ただ、金子さんがお作りになる俳句はちょっと難解で、わたしにはピンとこないものが多く、残念に思っています。
ところでこの本、タイトルがなんとなく俳句になっているんですよね。