コールスロー

世界というジグソーパズルの1ピース

マイケル・ムーア症候群

『アホでマヌケなマイケル・ムーア』(白夜書房)を読んでいる。
ボウリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」の監督、マイケル・ムーアの批判本。ムーアが映画作成や出版に際し、映像技術や時系列いれかえ、事実の極端な脚色を駆使し、自分につごうのよい「事実」をでっちあげていることがわかる。特にチャールトン・ヘストンを攻撃している個所はひどい。
これを読むかぎり、ムーアは煽動者であり報道者ではない。彼の著作や映画をみることは、ある種の洗脳をうけることであり、真実を知ることにはなりえない。それを承知で接するならば実害は少ないだろう。
わたしはごめんこうむる。
自国の経済力や自由な風潮を利用してそれを批判する映画をつくるようなデブをさらにこえふとらせる気はない。
そういえばここ数年、アメリカの大統領や日本の首相を「チンケなバカ」とする報道がふえたような気がしていたが、これはムーア的手法なのか。
たしかに「エライ人」をからかうのはたのしい。すっとする。しかし、それで溜飲をさげたあと、一体なにをするのか? 代案なき批判は子供のぐずりとかわらない。いつになればわかるのだろう。

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フクロウ@池袋。

書籍データ

アホでマヌケなマイケル・ムーア
デヴィッド・T.ハーディ編著・ジェイソン・クラーク編著・明浦綾子〔ほか〕訳

出版社 白夜書房
発売日 2004.09
価格  ¥ 1,680(¥ 1,600)
ISBN  4893679686

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